高齢者を国民で支える制度

現在の日本は急速なペースで高齢化社会が進んでいます。日本の総人口約1億2000万人に対し、高齢者は約3500万人と、約25パーセントを高齢者が占めています。

高齢化社会とともに少子化社会も進んでおり、家族内での介護が難しくなってきています。そんな現状を改善するべく制定されたのが、高齢者の介護を国民で支える「介護保険法」です。介護保険法の仕組みは、40歳以上の方や介護保険利用者から介護保険料を徴収し、老後の介護を国民全体で支えるというものです。

介護保険法は2000年に施行されましたが、そのままの内容で継続しているわけではありません。これまで2005年、2012年、2018年にそれぞれ改正されています。

2005年は、介護サービス情報の開示などによるサービスの質の向上、保険料の見直し、施設の居住費や食費の見直しによる低所得者への配慮。さらに在宅支援の強化や医療機関との連携による地域密着型サービスの充実が、それぞれ加えられました。

2012年には、単身、重度の要介護者のための、医療や介護、予防、住まい、生活支援サービスが連携した24時間対応の定期巡回随時対応サービス。各都道府県の財政安定化基金を用いた保険料上昇の緩和が加えられました。

2018年には、長期療養のための医療、日常生活を送る際の介護を一体的に受けることのできる介護医療院を創設しています。高齢者が増加すると共に、医療・介護の需要は高まるため、介護医療院の数は今後さらに増えていくのが予想されます。

このように、時代に合わせて制度の内容は変わってきています。親の介護に関わっている方、または自分の老後について真剣に考えたい方は、現時点での介護保険法の仕組みとサービス内容をきちんと調べておきましょう。